手打ち蕎麦の割合って大切なのか?

 

二八蕎麦・十割蕎麦など色々ありますが、『二八より十割の方が必ずしも旨い』という訳ではないのです。

 

蕎麦の美味しさを決める要素は

①玄蕎麦の質

②蕎麦の挽き方

③蕎麦の打ち方

の三つです。

 

①の蕎麦の質とは、蕎麦を収穫してからどのような環境で保存するかが非常に大事です。

●常温で保存

●低温で保存

●真空で低温保存

など色々あります。

当店は、北海道産の蕎麦を中心に国産のみを使用していますが、

たとえ、海外の蕎麦でもきちんとした保存方法で店内まで運ばれると随分良い状態の物もあります。

 

②の蕎麦の挽き方とは、蕎麦を粉にする時に、小麦粉みたいに細かくするのか、目で見て判る位の大きな粒に挽くのかで味と舌触りが変わってきます。

そして、大きさを決めた後には、蕎麦の実のどの部分をどの位使用するかという事を決めます。

殻ごと全部使用すれば『全粒粉』の蕎麦粉になるし、殻を取り除いて中心部だけをしようすると、

白くて上品な蕎麦粉になります。

 

③蕎麦の打ち方は、皆様もご存じの通り

蕎麦粉と割粉の割合を何割で打つのか、そして薄く伸して細く切れば極細の繊細な蕎麦が出来ますし、

分厚く伸して、太く切れば食べ応えのある蕎麦が出来ます。

 

つまり、蕎麦の割合は蕎麦の美味しさを決める要素の中では、ごく僅かな箇所なのです。

それぞれの蕎麦屋の主人が、それぞれの『理想の蕎麦』に向かって

割合、挽き方、打ち方の試行錯誤を繰り返しているのです。

 

ちなみに貴匠庵の『理想の蕎麦』は

細打ちで喉ごしが良いが、繊細だけでは無い。

粗挽き全粒粉ならではの、蕎麦本来の野生味や穀物らしさも併せ持った

バランスの良い味です。